こんにちは、ぽりんです。
私は吃音症の人がぶち当たる大きな壁として音読が挙げられるかと思います。吃音を持っていると生活する中で大きなことから小さなことまで苦痛なことはたくさんあると思います。
でも毎日、一日の大半を過ごす学校で音読に恐怖を感じるというのは不登校にもなりかねない大きな悩みです。
私も実際、音読は悩みの種でした。
今回は「教科書を読む」ことへの恐怖について、こうやって改善したよという私の実体験から改善策を書きたいと思います。
授業中、みんなの前で教科書を読むことが恐怖だった
小学校1年生
この恐怖に最初に気がついたのは小学校1年生のときでした。私の順番が回ってきて、いざ読もうと思っても上手く言葉が出てきません。イメージとしては喉にフタがされていて声が出せないような。
当然、静かな教室に変な間が生まれ、周りがざわつき始めます。
つっかえているのは漢字のところでもないし、不思議に思われていたと思います。(漢字のところなら漢字が読めないんだなでごまかせます。でもそれも高学年になると厳しいものがあるけど。。。)
「なんとか読み出さなくては」と思い読み出しのタイミングを図るのですが、「早く~」とか「○○だよ」と親切に読み方を教えてくれる子、はたまた「ここからだよ!」読む場所を教えてくれる子などの声でタイミングを掴むことも難しくなり、沈黙が続きます。
喉にフタをされたような感覚の中、やっとの思いで息苦しそうな声で読み出します。それで吃ってしまうこともあります。
でもとりあえずは、読み出してしまえば、次の句読点までは大丈夫です。
でも句読点が来て、また止まってしまったら読み出せるか分かりません。
小学校1年生の時点ではまだ自分の苦手な行、単語などが分かっていなかったので、やっとの思いで読み出しては止まり、読み出しては止まり、たった何行かの文章を読むにもヘトヘトでした。

音読に怯えた小学校生活
学年が上がっていくにつれて教科書を読むことへのハードルは上がっていきました。
漢字のところで止まってしまえば「なぜ読めないのか?習ったでしょ?」と言われ
一番最初の読み出しで躓いてしまえば「ここからです。授業聞いてましたか?」と言われ
句読点で止まってしまうとまた読み出せないかもしれないという恐怖から、せめて読点だけはと思い、無視して読んだりもしました。でもちょうど句読点を勉強していた時期の国語の授業なんかではその点を指摘されて、読み直しなんてこともありました。
そんな調子なので私が教科書を読み始める番になると「長くなるな」みたいな空気があったし、真似されたりもしました。
読み終わった後、隣の心無い男の子から「こんな漢字も読めないの?」とバカにされたり、「なんで普通に喋ってる時もあるのに教科書読むとそうなの?」とか。
とにかく、言葉が出ずに止まったり吃ったりすると、静かな空間の中、クラス中の視線が自分に向くのがとてつもなく嫌でした。
大きくなっていくにつれて、「自分はみんなと同じように教科書が読めない」「読むだけのこともできない」と劣等感も生まれてきました。
音読する度にそんな劣等感に苛まれ、他人から真似され、バカにされ。

教科書を読まされる教科が国語だけでなく理科、社会、歴史と続々増えていきます。
出席番号順や席順、日直の人など色々なパターンで当ててくる先生には頭にきてました、当時は(笑)ドキドキ箱なんていう、出席番号が書かれた割り箸が入ったおみくじみたいなのを作る先生もいたりして、ほんと洒落になんないくらいドキドキするから本気で止めて欲しいと思っていました(笑)
自分の番が来るまで異常に緊張して心臓はありえないくらいバクバクして手汗もすごい。
なんとか自分の番が終わってもしばらく心臓はバクバクしたまま。
授業のたった40分が悪魔のように長かったです・・・

教科書を読むことに関しては恐怖しかない、そんな小学校生活でした。
コツを掴む
中学2年生くらいの頃から徐々に自分の吃音の特徴を掴み始めました。
どんな時に吃るのか、どんな言葉が苦手なのか、分かってきました。

まず最初に思ったことは
- 独り言を言っている時や家で1人で勉強している時は吃らない→意識しないで発しているから・気持ちが落ち着いているから
- 英語を読む時は吃らない→意識が違う方に向いているから(単語の読み方とか発音とか意味とか伝わっているかを考えている)・言葉にリズムがあるから・英語に自信があるから
なら、これらのことを意識してみようと思いました。
まずは音読の時のマインドセットとしては
- 気持ちを落ち着けて、フラットな気持ちを忘れない。変な間ができようが開き直るくらいの気持ちで。とにかく動じない。
- 「ちゃんと読まなきゃ」ではなく「伝わればいい」くらいの気持ちで。
- 全体としてあまり言葉として意識しない。無意識で口が勝手に目の前の文字を読んでいるくらいのイメージで。
あとは、私は吃音を持っていた事で、周りよりも何か秀でたもの(=武器)がなければと思い周りよりもはるかに勉強していました。成績はまともに勉強し始めた小4~大4までずっと上位です。(そこらへんの話はまた別に書きますが)
だからそこから生まれる自信も大きく影響しました。
あなたたちがみんな読めない漢字、私が読んであげるわよくらいの気持ちで。
そんなこんなで何回か試行錯誤をしていく中で、私がたどり着いた音読のコツがこちら(*´∀`*)
- 読む前に一度息を吐ききって体の力を抜く:これでまずは落ち着きます。
- スッと息を吸ってそのタイミングで読み出す:これもある意味リズムです(´ε` )
- 文章の頭に苦手な行の単語がある時は、単語全体をふわっと放つイメージで。1音目の発音だけに囚われない:「ある日」という言葉があったら「ある日」で一まとまりの感覚を持って発音する。「あ」だけに囚われない。
- それでも難しい時は、無理して絞り出そうとしないで、1音目は発音しない:音読は周りも教科書を目で読んでいるので、それでも聞き手には伝わる。むしろそうすることで勝手に1音目が出ることもあります。例えば、「ある日」を「る日」と読んでしまう。聞き手には「あ」の発音が弱かったのかな~くらいで、「ある日」と聞こえているので大丈夫です。
- 読点は意識しすぎず、自分のリズムで:例えば「~で、あの人は」とある場合。「~で、」で止まっても問題なく「あの人は」と発話できればいいが、そうでない場合は(私の場合はあ行が苦手なので高確率で発話できないと分かっている)「、」を無視して「~であの人は」と一気にリズムで読んでしまう。
- 文章の頭をはっきりと発音しようとしない:私の場合、「か」で始まる単語が苦手なので、吃りそうな時は「かいそう」→「はいそう」と読んでしまうこともあります。これも周りは教科書を見ているので、「はいそう」と発音しても「かいそう」だと認識してくれます。
- 目の前の文字を淡々と読んでいるという感覚で、力を抜いて読む:家で1人で勉強している時に教科書をなんとなく読んでいるイメージで。
教科書を読むのが嫌で、もう何も喋りたくないと思った時もありました。
でも音読に関してはコツを掴んだことでクリアできました。高校生の頃なんかは音読に恐怖を感じることも無くなっていました。
まとめ
音読は言い換えることができないから辛いですよね。
あと、句読点とか頭の発音の弱さとか指摘されると辛かったです。
でもそんなことも中学高校に上がるにつれてあんまり指摘されなくなってくるのかな、と思います。小学生のうちは割と細かく注意されるけど。だから小学校はその点でしんどかったです。
なんだかんだコツをまとめましたが、結局大切なのは自信と開き直りなのかなって思います。
ここまで書いて何いってんだよって感じかもしれないですが
私がこのコツを使って音読の恐怖を克服した時、
私はこのコツをしっかり頭に入れ込んで、これを実行しなければ!!とは思っていませんでした。
試行錯誤しながらこうしたら読めたな。。。とかそういう成功体験を積み重ねていくうちにそれが自分の中でお守りになって、開き直れる勇気に繋がったのかもしれないと思っています。
開き直って(多少どうでもいいと思って)やってダメなら、あの方法を使えばいいなって、潜在的に自分の中にあったんだと思います。
だから、コツが全てではなくて、そのコツによって開き直ることが大事なのかなって思います(*´∀`)

あとは自信。「言葉は上手く発せないかもしれないけど、私はこれが出来る」っていう自信を持てるものがあると精神的に違うと思います。
だから私はどんな時も勉強を頑張ってきました。
現に私が点数を取るようになってから真似されたり馬鹿にされることは明らかに減りました。
あとは「これが出来る」じゃなくても
「世界は学校だけじゃない」と思える何かがあるといいと思います。
私の場合はそれがジャニーズでした。「好きなアイドルに会いに行きたい」って気持ちは何よりもモチベーションになったし、私を強くしてくれました。
オタク友達と出会ったことで学校以外の繋がりが持てたことも大きかったです。
とにかく、そういうものがあれば劣等感を感じずに済むし、それによって自己肯定感が保たれます(*´ω`*)
学校に配慮してもらうってことができれば一番いいんでしょうけど、それにも色々な事情や気持ちがあるかと思います。
そこまで重い吃音じゃないとか、言えるような環境じゃないとか、気持ち的に言える状態じゃないとか。
プロフィールの「私の悩みは吃音症なこと」の項目を参照してください。

じゃあどうやったら切り抜けられるだろうか、と思った時に今日書いたコツが少しでも役に立てたらいいなと思っています。
音読が憂鬱で不登校になってしまったり、人との関わりを全て遮断してしまう前に、試してみてもいいんじゃないかなって思います。
こんな時に贈りたいジャニーズソング
- ジャニーズWEST「アメノチハレ」:シングル
- ジャニーズWEST「エエやんけェ!!」:アルバム「なうぇすと」収録
- エンドレス・サマー「NEWS」:アルバム「LIVE」収録
- おやすみ「中山優馬」:アルバム「Chapter 1」通常盤のみ収録
いろんなジャンル揃えてみました(*´∀`*)
よかったら聴いてみてくださいね♪
最後に
吃音を周りの人に打ち明けることができないって人も多いと思います。
私も実際にそうでした。
「吃音をコンプレックスに感じて生きてきた、生きづらいんだ」と親に打ち明けたのは大学卒業間近でした。
それまでは幼稚園の頃に「どうして自分はみんなと同じようにお話できないの?」
と母に聞いて依頼、吃音のことについて話してきませんでした。
打ち明けた時に「何も言わないから治ったんだと思ってた」って言われたくらいです。(親の前ではリラックスしているし、自分のペースで話せるし、吃りそうになれば言い換えることもできるから)
それから親には「こういうことが辛い、しんどい」と話せるようになって
誰かに聞いてもらえることで気持ちが楽になる事があるし
苦手なことは頼めばいいんだなと。
全部を自分1人で頑張らないで
頼ってもいい人には、頼れるところは頼ろうって思えるようになりました。
どうしても自分で頑張らなければならない場面もあります。
それでも少しだけ、気持ちが楽になりました。
だからもし少し前の私みたいに、誰にも言えないでいる
理解してもらえないという中で気持ちが苦しい状況にあるのなら
是非コメントしてきてください。お話を聞くことくらいはできます。
そういうのって知ってるけど知らないくらいの人の方が話しやすいのではないでしょうか?
話すことで楽になったり、自分はどうしたいのか、分かったりしますよ。
聞いたことはもちろん誰にも話しませんし、人目に触れることもありません。
お問い合わせからでもTwitterのDMからでも大丈夫です。
よかったらご利用ください(*´ω`*)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。